現役型FIREとは?労働収入をすべて“今”に使える新しい自由

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こんにちは、うずめろです。

前回、「投資からの自由(入金卒業)」という考え方について記事にしました。

本記事では、「資産が十分に育った後もフルタイムの仕事を続けながら、給与をすべて現在の生活に使える状態」を新しいFIREの形として提案します。

私自身、総資産が5000万円を超えたあたりから、資産運用に対するスタンスが明確に変化したと感じています。

具体的には、将来への備えに対する不確実性が許容範囲内に収まり、「労働で得た収入を、将来の積立ではなく現在の消費に回せる」というフェーズに移行しました。

リタイアを前提とした従来のFIREとは異なり、本業の仕事を継続しながらも、入金義務から解放されたこの状態を、私は「現役型FIRE(Active-Income FIRE)」と定義してみたいと思います。

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FIREの「リタイア」に違和感はありませんか?

「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」という言葉が定着して久しいですが、多くの現役世代が感じている、ある「違和感」があります。

それは、「仕事を辞めることだけが幸せなのか?」ということ。

資産が積み上がり、将来の不安が小さくなったとき、サラリーマンの私たちが手にする真の果実は「無職」になることではなく、「労働収入のすべてを、今この瞬間のために使い切れる自由」ではないでしょうか。

本日、私はこの状態を「現役型FIRE(Active-Income FIRE)」と定義し、その圧倒的なメリットを提唱したいと思います。


現役型FIRE(Active-Income FIRE)とは何か?

一言で言えば、
「資産が自走することで、労働収入をすべて“今”のために使える状態」 のことです。

より具体的には、新規入金の影響が小さくなるほどの資産を達成し(入金卒業)、資産の成長によって将来の備えがほぼ完結しているため、現在の給与を生活や体験の向上に自由に充てられる段階を指します。

通常のFIREが「リタイア後の生活費を資産から捻出すること」を目的とするのに対し、現役型FIREは次の4つの条件を満たした状態です。

  • 資産の自走: 老後資金として十分な資産をすでに形成している。
  • 入金卒業(I-FIRE): 給与からの追加投資が、資産全体に与える影響が小さい段階に達している。
  • 全力支出: 稼いだ給与の大部分を、今しかできない体験や生活の質の向上に充てられる。
  • 主体的労働:生活維持のためではなく、「あえて」給与水準の高い仕事を続けている。

入金卒業(I-FIRE)ラインはどこにあるのか?

現役型FIREにおいて、資産額そのものと同じぐらい重要なのが、「毎月の入金が資産全体に与える影響力がどれだけ小さくなったか」です。

私は、入金卒業の判定基準を次のように考えています。

運用益(税引後) ≧ 過去の月入金額 × 1.5〜2倍

たとえば、これまで毎月10万円を積み立てていた人であれば、年間の運用益(税引後)が15万〜20万円以上/月(年間180万〜240万円)になった時点で、入金による資産増加の主役は「自分の給与」ではなく「資産そのもの」へと交代したと言えます。

年利4%で計算すると約4500万円となります。

この状態では、仮に入金を完全に止めたとしても、入金による影響は小さくなっているので、資産の増えるペースは少し低下すると言った程度です。

つまり、将来のために生活を切り詰めて投資資金を捻出する必要が、構造的になくなるのです。

資産形成の主役が「労働収入」から「複利」へと移行したこの瞬間こそが、精神的にも実務的にも大きな転換点になります。

だからこそ、この段階に到達した後は、無理に入金を続けることよりも、現在の生活の質や体験価値に資金を振り向けるという選択が、合理的な戦略になり得るのです。

「将来のための節約」というブレーキを外し、アクセル全開で今を楽しむ。これこそが、現役型FIREの醍醐味です。


リタイアよりも「贅沢」な理由

完全なFIRE(無職)の場合、資産を取り崩す不安から、十分な蓄えが無いと(2~3億円以上)、日本人の場合どうしても「節約気味」な生活になりがちです。

しかし、現役型FIREは違います。

  • 最強の二階建て: 「資産の運用益や配当金」という一階部分に加え、サイドFIREとは違う「本業の給与収入」という二階部分を贅沢にそのまま自由に使える。
  • 精神的な余裕: 仕事で嫌なことがあっても「辞めても生活は維持できる(FI)」という余裕があるため、かえって仕事のパフォーマンスが上がり、ストレスが激減する。
  • 期間限定の最大化: 体力があり、子供がまだ小さく、親も健在。そんな「今」という貴重な時間に、最大級の資金を投入できる。
  • 余裕があれば入金も出来る:収入が無いFIREとは違い、しっかりとした収入があるため、余裕があるときは新規入金もできる。

現役型FIRE vs サイドFIRE・コーストFIRE:決定的な4つの違い

「現役型FIRE」と「サイドFIRE」「コーストFIRE」の最大の違いは、労働を「縮小」させるか、それとも「武器として最大活用」するか、「市場にどれだけ依存しているか」という戦略の差にあります。

「市場への依存度」が低い状態で「主体的労働」によって高い給与水準を維持することが、人生の選択肢をどう変えるのか、その違いを6つの視点でまとめました。

※コーストFIREとは、老後資産の「種銭」は既に用意し、追加投資をせず市場成長に任せる状態を指します。

比較項目現役型FIRE
(労働の最大活用)
サイドFIRE
(労働の縮小)
コーストFIRE
(時間の先取り)
労働スタンスキャリアと報酬を
「あえて」維持する
時間的自由を
重視した働き方
必須だが
ゆるくも出来る
給与水準
(フルタイム・専門職・責任職)
低~中
(時短・軽作業・副業)
低~高
(生活費の水準による)
お金の余裕給与100%+運用益
「今と将来を同時に最大化」
少なめの給与+運用益で生活給与100%
「将来は市場任せ」
市場への
依存度

老後資産は既に確定的

生活費の一部を
運用に依存

老後資産の成否は
市場に依存
追加投資不要
(余裕があれば可)
出来ない
(資産取り崩し中)
必要
(市場成長が不足した場合)
社会保障の質厚生年金・健保
(会社折半の最強の守り)
国民年金・国保
(自己負担が重い)
会社員なら
厚生年金・健保

1. 「主体的労働」と「市場への低依存」がもたらす圧倒的な購買力

サイドFIREは、時間を手に入れる代償として「高い給与」を捨てます。そのため、生活は常に「少なめの収入と運用益の範囲内」に縛られがちです。

また、コースFIREは、収入は100%使えますが、将来を市場に依存している状態です。

一方、現役型FIREは、既に十分な資産があり資産の自走が確定している状態(市場への低依存度)で、あえて「高い給与水準」を維持します。

「稼いだ分をすべて使って良い」というルールを適用したとき、月収20万円のサイドFIREと、月収40万円の現役型FIREでは、自由に使える「遊び金」に数倍の開きが出ることになります。また、十分な蓄えが既にあるので、市場におびえること無く、稼いだお金を自由に使える圧倒的な購買力こそが、現役型最大のメリットです。

2. 「辞められる権利」を持ちながら「続ける」贅沢

サイドFIREの労働は、往々にして「生活費の不足分を補うためのノルマ」になりがちです。

また、コースFIREも運用益は将来のために取っておかなければいけないので、労働は必須となります。

しかし現役型FIREにおける労働は、完全な「選択(Active-Choice)」です。

「いつでも辞めて生活できる」という確固たるバックボーンがあるからこそ、仕事での理不尽を恐れる必要がなくなり、結果としてプロフェッショナルとして高いパフォーマンスと給与水準を維持できるという、ポジティブなループが生まれるのではないでしょうか。

3. 社会的信用と「厚生年金」の最大化

高い給与水準のフルタイムを続けることは、単に今の生活を豊かにするだけではありません。

  • 厚生年金の積み増し: 高年収で働き続けることで、将来受け取る年金額を最大化し、一階部分(資産運用)をさらに強固にします。
  • 最強の福利厚生: 会社折半の社会保険料、人間ドック、手厚い慶弔制度。これら「会社員としての権利」を戦略的に使い倒すことができます。

4. キャリアを「今この瞬間の楽しみ」に変換する

サイドFIREが「時間や将来のために今のキャリアを降りる」のに対し、現役型FIREは「積み上げたキャリアを、今を楽しむための集金マシンとして活用する」という考え方です。

「将来のための貯金」というブレーキを外し、高水準の給与をすべて「今しかできない体験」に全振りする。これは、現役で第一線を走っている人にしかできない、究極の「攻め」の資産運用と言えるでしょう。

現役型FIREは「人生の黄金期」を最大化する

目指すなら40歳代から50歳代。サラリーマンに訪れる「黄金のご褒美期間」

私は、現役型FIREを目指すのに最適な時期は、40歳代から50歳代にかけてだと考えています。

なぜなら、この時期は本業において高い給与水準を維持しつつ、人生を楽しむための健康と体力がまだ十分に備わっている時期だからです。将来の安心を担保した上で、稼いだお金の100%を今この瞬間の体験に投じる。これこそが、長く資産形成を続けてきたサラリーマン投資家に訪れる「黄金期」ではないでしょうか。

もちろん、30代や40代での早期リタイア(フルFIRE)も一つの理想かもしれません。しかし、若いうちに1億円近い資産を築くのは並大抵の努力ではありませんし、ようやく手に入れた資産も、その後の長い人生を市場の動向だけに依存して生きていくには、相応の不安がつきまといます。

また、心血を注いで築き上げてきたキャリアを、若くして手放すことに抵抗を感じる人も少なくないはずです。

現役型FIREは、リタイア前の5年や10年を、仕事・貯蓄・投資に奔走してきた自分への「ご褒美期間」と定義する新しい考え方です。

たとえば、20代は月5万円を5年間、収入が安定する30代以降は月10万円を20年間積み立てた場合、これを年利4%で運用できれば、50代には約4,500万円規模の資産に到達します。

  • 20代の5年間(月5万): 20年間の「放置」で約1,100万円へ成長。
  • 30代からの20年間(月10万): 継続の力で約3,400万円へ成長。
  • 50代の到達地点: 合計 約4,500万円

ここまで来れば、運用の自走力が入金額を圧倒し始めます。

この規模の資産があれば老後への備えは大きく前進し、50代では「将来のための貯蓄」から解放され、本業の収入を現在の生活や体験に充てる余裕が生まれるでしょう。

「将来のために今を犠牲にする」ステージを卒業し、「盤石な将来を土台に、今を最大化する」ステージへ。 必死に走り続けてきたサラリーマンにとって、これこそが真に目指すべき「新しいゴールの形」なのかもしれません。

結び:現役世代にとっての「FIRE 2.0」という選択

これまでFIREという言葉は、「仕事を辞めて資産だけで生活する」というイメージと強く結びついてきました。しかし、多くの現役世代にとって、フルリタイアは必ずしも現実的な正解でも、唯一の理想郷でもないはずです。

資産がある程度の規模に達したときに手に入る本当の価値は、単に「仕事を辞める権利」ではありません。「将来の不安から、根源的に解放されること」。これに尽きるのではないでしょうか。

資産が自走し、老後の見通しが立つ。 その盤石な土台の上で、今の仕事を「主体的」に続けながら、得られた収入を100%今の生活に注ぎ込む。

私はこの状態を、「現役型FIRE(Active-Income FIRE)」と呼びたいと考えています。

「蓄積」から「享受」へのアップデート

これは、ひたすら入金を続ける「形成期」でもなく、すべてを切り崩す「リタイア期」でもない、その中間に位置する新しい生存戦略です。言い換えれば、従来のFIREを現代の価値観でアップデートした、いわば「FIRE 2.0」のようなものかもしれません。

  • 資産形成のゴールを変える: 資産を増やすこと自体を目的にするのをやめ、ある程度育った時点で「今の人生の豊かさ」を最大化するステージへ移行する。
  • 将来の安心 × 今の収入: 将来の心配はほぼなく、それでいて現役世代としての高い購買力も維持している。

「将来のために我慢する人生」から、「将来の安心を土台に、今を楽しむ人生」へ。

もし、あなたの資産が十分に育ってきたのであれば、これまでのように血眼になって入金額を増やし続けることだけが正解ではないはずです。

働くことを、最高の贅沢に。

現役型FIRE。

それは、プロフェッショナルとしての仕事を続けながらも、お金の呪縛から解き放たれた状態で人生を謳歌するという、現役世代にとっての「新しいゴールの形」ではないでしょうか?

必死にアクセルを踏み続けてきた皆さんも、一度ハンドルを握る力を抜いて、この新しい景色を眺めてみませんか? そこには、数字を追うだけでは決して辿り着けなかった、本当の意味で自由な「働く人生」が待っているはずです。

資産形成の新しい4ステップ

最後に、私が提案したい「資産形成の新しい4ステップ」をまとめます。

これからの時代、FIREは「仕事を辞めるか辞めないか」という二元論ではなく、以下のようなグラデーションで捉えるのが、最も現実的で幸福度が高い形ではないでしょうか。

1. 資産形成期(蓄積のフェーズ) 入金力を最大化し、複利の恩恵を受けるための「種銭」を必死に育てる時期。将来のための「我慢」が一定数必要なフェーズです。

2. 投資からの自由:I-FIRE(入金卒業のフェーズ) 資産が自走し始め、家計から投資口座への無理な入金が不要になる状態。精神的な重圧が取れ始める第一のターニングポイントです。

3. 現役型FIRE:Active-Income FIRE(謳歌のフェーズ) 本業の給与水準を維持したまま、稼いだお金を100%現在の消費や体験に回す状態。将来の安心と、今この瞬間の贅沢を両立させる、サラリーマン投資家にとっての「黄金期」です。

4. フルFIRE(選択のフェーズ) 仕事に対する価値観やライフステージの変化に合わせ、必要に応じて完全リタイアやサイドFIREなどで大幅な減速を選択する最終段階。

私自身、まずはこの「現役型FIRE」というステージを全力で楽しみ、その先に見える景色をまたブログを通じて発信していきたいと考えています。

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